Hi’z 5 Errand〜はいず 5 えらんど〜

トーキョーN◎VA-The-Detonation

小説

シーン4 それぞれの日常

マキシマム・揚は、相変わらず暇を持て余している。

このままだとこの平和な生活から抜けだせなくなりそうだと思い始めていた。

実戦の場に出て戦いたかったがなかなか機会がなかった。

マキシマム・揚は、快楽殺人症でもなければ戦闘狂でもない。

ただカタナとしての矜持が平和な生活に慣れることを許さないだけだ。

皇帝が自分の力を当てにしているというならばなおさらカタナとしては、矜持にかけて

腕を鈍らせるわけにはいかないだろう。

マキシマム・揚は、道場での練習をしたことがない。実戦で自分の剣を作り上げた。

唯一修行を行ったのは、新香港にいた時に揚一族の紹介で出会った七虎王というカゲに

師事した時だけだ。その時の修行も全て実戦形式で行われた。

活人剣を標榜する剣道家から見ると自分の剣は、殺人を目的とした邪剣にしか見えないだろう。
マキシマム・揚は、このことを気にしたことはない。

剣というものは、斬る為だけに存在する物だと思っている。

そして斬る事でしか守れない者や成し遂げることができる目的があるのだということも

知っている。突然、ポケットロンが鳴った。

マキシマム・揚がポケットロンを取るとポケットロンの画面に黄 紫星の姿が現れる。

「マキシ。頼みたいことがある」

「何だ?」

拝謁していて以来、黄 紫星は、たびたびマキシマム・揚の所に連絡をしてきた。

大抵は、個人同士のたわいのない会話で話が進む。

皇帝と話終わった後のマキシマム・揚の様子を見てある時、揚 華月は、まるで親友のようですねと言って微笑んだ。
マキシマム・揚は、妻に微笑み返しただけで何も言わなかった。

妻ならばこれだけで全て察してくれることを知っているからだ。

黄 紫星が今回のように依頼してくることは、始めてだ。

「中華最高陰陽議会からの予言があった。N◎VA中華街が滅亡の危機にあるそうだ」

マキシマム・揚が眉をひそめる。中華最高陰陽議会は、三合会の中でも特殊な組織だ。

主にバサラやマヤカシが多数所属し主に世界各国にある華僑街の風水の管理を担っている。

噂では組織の上位には、仙人に近い力を持ったマヤカシも存在するらしい。

だとすればこの予言も一概に間違っているとは言えないのだ。

「俺への依頼は?」

「中華最高陰陽議会から中華街を守るため一人、道士を派遣する。

まだ若いが中華最高陰陽議会の腕利きだ。マキシ。君にも事件解決のため協力してほしいと

中華最高陰陽議会より申し出があった」

「わかった。中華街を守るためなら俺に異論はない」

「では、装備を整えてN◎VAのインペリアルホテルの最上階にいる陳 元義老師を訪ねてくれ。
そこで相手もお前を待っているはずだ」

陳 元義。マキシマム・揚も噂だけは聞いている。

百歳を越える老人にして仙人にもっとも近いといわれる退魔士。

現在は、鬼神からの体が少しずつ石になるという呪いを受け体の半分をサイバー化し呪いを退けて退魔士を引退したという。

「わかった」

「武運を祈っている。禁軍武術師範」

「お任せください。陛下」

黄 紫星の姿がポケットロンの画面より消える。

マキシマム・揚は、ポケットロンをしまうと自室に向かい装備を整える。

鎖帷子を身につけ肩口と背中に一角獣の紋章が入った防弾効果があるジャケットに袖を通す。
二振りの単分子ナイフ・スティングを腰の後ろに挿す。

二本の単分子ワイヤー・スネイクを左右それぞれの袖に隠す。

玄関で打撃強化の装甲が張られたブーツを履く。

踵を二・三度床で打ち鳴らし履き心地を確かめる。

久しぶりに身につけた装備の重さが暇を持て余していた体に心地よくのしかかる。

マキシマム・揚は、扉を開けインペリアルホテルに向かった。

 

白房は、白い虎の周りを落ち着きなく歩き回ったり座ったりを繰り返している。

体中に巻かれた包帯は血が滲み痛々しさを強調している。獣医の話では、今夜が峠らしい。

白房は、鼻で白い虎の肌に触れる。体温が下がっており体は、冷たい。

白い虎には、毛布がかけられ体温の低下を防いでいる。

白房は、毛布にもぐりこむと白い虎を自分の体温で暖めるように寄り添った。

すずめ達の囀りを聞き白房は、目覚めた。どうやらいつの間にか眠っていたらしい。

慌てて起き上がり虎の様子を見る。虎は、規則正しい寝息を立て眠りつづけている。

白房は、安心すると乱れている虎の毛並みを自分の舌で舐めて毛並みを整える。

毛並みを整え終えると白房はあくびを一つしすると再び毛布にもぐりこむ。

再び虎に寄り添うと白房は、眠り始めた。どれほど眠っただろうか。

白房の鋭い獣の本能が殺気に似た気配をとらえ即座に眠りについていた意識を覚醒させた。

白房は、即座に立ち上がる。

目に飛び込んできたのは毛を逆立て怒りを露にしている虎の姿だった。

威嚇するように唸り声を上げている。

あまりの迫力に白房のしっぽが自然と後ろ足の間に挟まれる。

(ぼくはてきじゃないよ。きみをたすけたんだ)

白房は、テレパシーでなだめるように虎に語りかける。

「そのことには、感謝する」

虎は、怒りを隠さないまま言った。白房と違い虎の姿のままで人の言葉を話している。

(ぼくは、しろふさ。きみのなまえはなんていうの?)

「私は、西海の守護者にして白虎一族の戦姫、白耀姫じゃ。白房とやら。そこに直れ」

白房が虎の言葉を聞き行儀よくちょこんとおすわりする。そして首をかしげ再び尋ねる。

(ところでどれがなまえなの? ぼくよくわかんない)

虎は、白房の言葉に力が抜けたのか怒りの表情をひとまず収める。

「名前は、白耀姫じゃ。時に白房。お主、この世に生を受けて何年になる?」

(ことしではっさいです)

「八歳だと。まだ子供ではないか。お主。一族の者は、どうした?」

白耀姫が慌てた口調で尋ねる。

(えーと。ごねんまえかくれざとをぬけだしてあそんでたらまいごになってここにきました。まだだれもむかえにきません)

「ええい、なんと無責任な。わかった。助けてもらった礼じゃ。

お主は、我が一族で保護しよう。安心するがよい」

(ぼくここのわかばちゃんにおせわになってるんだけど)

白房が首をかしげる。

「その若葉ちゃんとやらは、何者だ?」

(このじんじゃのみこさん。とってもよくしてくれてるよ)

「お主、人間と暮らしているという訳か」

白房が頷く。白耀姫がしばし考え込み白房に尋ねる。

「お主、すでに人化の術が使えるのか?」。

(じんかのじゅつってなに?)

「口で説明するより見せた方が早い」

そう言うと白耀姫の姿が変わる。体に巻きついていた包帯がぱさりと畳に落ちる。

虎の姿から気の強そうな少女の姿へ。

服は、動きやすさを優先しているのか白のチャイナドレスだった。

「このように人間の姿に化けるのを人化の術という」

(すごい! すごい! すごい!)

白房は、興奮したように尻尾を左右に振っている。

「その様子だと満足に術も使えんようだな。お主、今までどうやって暮らしてきたのだ?」

(まいにちたのしくあそんでます。

たまにたいましさんをてつだってわるいアヤカシをたいじしたりもしてます)

白耀姫があきれたように白房を見る。

「お主、今までよほどの僥倖に恵まれていたようだな」

(ぎょうこうってなに?)

「運がよいということじゃ」

廊下より足音が聞こえる。若葉がやってきたのだろう。障子が開けられる。

「白ちゃん。虎ちゃんの様子は、どう?」

(わかばちゃん。もうげんきになったみたい。ほら)

白房は、若葉に駆け寄り顔で白耀姫を示す。

若葉が白房の指し示す方を見て怪訝な顔で尋ねる。

「・・・どちら様でしょう?」

「お主が先ほど虎ちゃんと言った者だ。しばらく世話になる」

白耀姫は、悪びれることなく胸を張り尊大な態度で言った。



 犬塚 仁之介は、ホテルの部屋の中を落ち着かない様子でうろうろしていた。

表情は、極めて不機嫌。口は、見事にへの字の形だ。

犬塚 茜の方は、窓際で椅子に座り熱心に本を読んでいる。

茜は、本を閉じるとうろうろしている仁之介に声をかける。

「少し落ち着いたら?」

仁之介はずかずか歩き茜の向かいの椅子にどっかと腰掛ける。

「姉貴は、心配じゃねぇのかよ。白房のこと」

「ええ。とても心配よ」

「じゃあ。なんでそんなに落ち着いてるんだよ。

探偵なんかに任せずに俺達も探しに行こうぜ」

茜が仁之介の言葉を聞きくすりと笑う。

「なんだよ。俺が白房を心配するのがそんなにおかしいか」

「ええ。とても。五年前、白房を探しに行くと言って真っ先に出て行ったのにまさかそれがラスベガスで遊ぶのが
本当の目的だったあなたが今ごろになって心配するなんてね」

茜が静かな声で淡々と言った。仁之介が茜の言葉に肩をすくめる。

「先立つ物を手っ取り早く手に入れるためだったんだよ。仕方なかったのさ」

「しかもカーライルシンジケートと揉め事まで起こして最近まで白房の行方を探すどころか自分の命の方が危なかったのを忘れたのかしら」

茜が即座に追撃を加える。仁之介が必死に言い訳を言う。

「あれは、あっちが喧嘩を売ってきたから仕方なくやったんだ」

「最初にあなたが借金を踏み倒そうとしたのが原因だというのを忘れたのかしら」

仁之介が言い返せず沈黙する。

「知っているのよ」

「・・・何を」

言い知れぬ姉の迫力によって仁之介の背中には冷や汗が流れる。

「このホテルの近くにカジノがあることを」

二人が宿をとったのは、ウェットシティ。このアーコロジーは、高層ホテルブロックを中心にカジノや高級クラブが存在する。

「白房を探しに行くように見せかけてカジノに行くつもりでしょうがそうはいきません」

仁之介を叱るように茜が告げる。

「姉貴。それは、誤解だ。俺は、純粋に白房を探しに行きたいだけだ」

仁之介が本当の目的を見抜かれ焦りながらも必死に弁解する。

背中に流れる冷や汗の量が増える。

「いいわよ。探しに行っても」

茜は、仁之介が拍子抜けするほどあっさりと言った。

「その代わりもしカジノに行ったらただじゃすまないわよ」

茜は、にっこりと微笑み脅すようにではなく優しく仁之介に言った。

その表情に仁之介が言い知れぬ恐怖を感じた。

茜がもし怒ると本当にただではすまないのだ。

仁乃介は、過去に一度茜を怒らせたことがあったが本当に死ぬような目にあった。

そればかりかその時は、兄弟・妹達も茜に味方し仁之介は、孤立無援だった。

これも茜の人徳と長女としての威厳がなせる技だろう。ちなみに仁之介は、三男である。

「どうぞ。いってらっしゃい。あなたがカジノの誘惑に勝てるというのなら」

茜が仁之介を追い払うように手をひらひらと振る。仁之介が無言で立ち上がる。

ずかすかと冷蔵庫に近づき中からビールと緑茶を取り出し戻ってくる。

「お姉さま。どうぞ。お飲みください」

仁之介が茜に緑茶を差し出し自分の目の前にビールを置く。

「あら。気が利くわね。ありがとう」

茜がタブを開け上品に両手で缶を持ち緑茶を飲む。

仁之介は、茜が缶を口から離すのを待ってから話しかけた。

「ところでラスベガスの件は、親父やお袋、兄貴に弟、妹には、黙っていてください。

お願いします」

恥も外聞もなく仁之介が床に頭をつけ土下座する。

「それは、これからのあなたの心がけ次第ね。頑張りなさい」

茜は、相変わらず優しい口調で言うと再び緑茶の缶に口をつけた。

「わかりました。何とぞよろしくお願いします」

仁之介は、顔を上げると自分もビールのタブを開け一気に飲み干した。



来栖は、大学生に聞き込みを始めたが芳しくなく情報は、集まらない。

過去の経験から言うと女子大生からこの手の迷い子のペットの情報は、集まるのだが今回は、全然集まらない。
これだけ特徴のある迷い犬は、見れば印象に残らないはずがない。

「困ったなあ」

来栖は、新星帝都大学入り口近くのイチョウの並木道に立ち尽くす。
すでに授業が終わったのか学生の姿がほとんどなくなった。来栖の腹の虫が自己主張を始めた。

「仕方ない。飯食ってからもう一度聞き込みをするか」

来栖は、学生達に人気があると言う大衆食堂・壱に向かった。

普段は、学生達で賑わっているが今は、昼食には、遅すぎ晩飯には、早すぎる中途半端な時間ということもあり
客は、まばらだった。

来栖は、店内に入りカウンターに座るとメニューを見る。

そこで来栖は、恐るべき事実を発見した!

「・・・ご飯と味噌汁のお代わり自由」

信じられない物を見つけたように来栖が呆然と呟く。

「ラピュタは、本当にあったんだ・・・」

来栖は、更にわけのわからないことを呟き始めた。

若女将の三浦 早苗が我を失っている来栖の前に水とおしぼりを置き尋ねる。

「ご注文は?」

「ご飯と味噌汁のお代わり自由で」

来栖の頭の中には、この言葉しかもう存在してないようだ。

「お客さん。それは、サービスで何か定食を頼んでいただかないと」

早苗が丁寧に来栖に言った。来栖が早苗の言葉に我を取り戻す。

「・・・秋刀魚定食で」

「はい。秋刀魚定食ですね。かしこまりました」

来栖は、目の前の水を飲み興奮した自分の精神を冷ます。

「落ち着け、俺。まだお代わりできると決まったわけじゃない」

かなり情けないことを呟き来栖が自分を慰める。

「お待たせしました。秋刀魚定食です」

来栖の前にご飯、豆腐の味噌汁、ほうれん草のおひたし、秋刀魚の塩焼きを載せたお盆が置かれる。
来栖があっという間にご飯と味噌汁を空にしお代わりすべく席を立つ。

緊張の面持ちで来栖が電子ジャーの蓋を開ける。

そこには、白く光り輝くお米達が来栖を待っていた。

来栖は、幸せそうな顔で茶碗に山盛りにご飯をよそう。

続いて味噌汁の入っている鍋の蓋をあける。

蓋を開けてすぐ味噌のよい香りが来栖の鼻をくすぐる。

白く輝く豆腐と緑色のねぎが浮かぶ味噌汁が来栖の目に飛び込んでくる。

来栖は、おわん一杯に味噌汁を注ぎ自分の席に戻る。

その後、三度同じ行為を繰り返し来栖は、空になった食器を前に満足そうな表情を浮かべ満たされた腹を撫でた。
早苗が来栖の目の前に熱いお茶の入った湯のみを置く。

「よく食べたわね。あまり見ない顔だけどどこの学部?」

「いえ。学生じゃありません。しがない三流探偵です」

来栖は、コートのポケットより剣と天秤が描かれたNIKマークが入った鑑札を見せる。

「あら。探偵さんなの? 何かの調査?」

早苗が驚いた表情を見せる。来栖の冴えない姿は、確かに探偵というより貧乏学生といった方がよく似合う。
それもそのはず来栖は、半年前まで大学生だったのだ。

とある理由で大学を中退し探偵になったのだ。

「そんな大した物じゃありません。迷子のペット探しです」

来栖が熱いお茶を自分の息で冷ましながら答える。

「どんなペットを探しているの? もしかしたら見たことあるかもしれないわ」

早苗の言葉に来栖が子犬の特徴を教える。早苗が特徴を聞き終えると即座に言った。

「ああ。その子なら皆川神社の白房君だわ。よくウチにおやつを貰いに来るわよ」

来栖が驚いた表情を見せる。来栖は、特徴を教えただけで名前まで教えていない。

偶然の一致にしては、奇妙だと来栖の探偵の勘が告げる。

「その名前は、誰から聞いたんですか?」

「自分で名乗ったわよ。「僕、白房って言います。今度から皆川神社でお世話になることになりました」って。
礼儀正しくていい子よ」

「はぁ」

来栖が困惑の表情を浮かべる。

(しゃべる子犬? そんな生物がこの世に・・・存在したな)

来栖が最悪の予想を思い浮かべる。記憶には確かにしゃべる犬について思い当たる物があった。
アヤカシ。この世界における魔物達の総称である。

来栖は、ニューヨーク生まれである。大学をある事件をきっかけに中退しニューヨークから

トーキョーN◎VAにやって来た。その間の放浪の旅で様々なアヤカシに襲われた経験を持つ。
その中には、確かに人間の常識をはるかに超えた魔物が確かに存在した。

ウォーカー専用の剣を振り回す巨人。首を刎ねる兎。牛の頭を持った獣人。動く死体。

そして今も忘れることができない血に濡れたような赤い瞳と雪のように白い肌を持った

恋人だった女性。確かにしゃべる犬くらいいてもおかしくない。

(やれやれ。一シルバーじゃ安かったかもな)

来栖が湯のみに口をつけお茶を飲む。魔物と戦うとなると正直気が乗らない。

いやでも恋人を失った事件を思い出す。まだ心の傷が癒えたとは言い難い。

(まあ。いいさ。まだ戦うと決まったわけじゃない)

来栖は、お茶を飲み干し湯飲みを置く。茶の苦い後味が今日は、より苦く感じられた。

「ありがとうございます。皆川神社にあたってみます」

来栖は、勘定を支払い店を出た。ポケットロンで皆川神社の位置を確かめる。

「近いな」

歩いても十分かからない距離だ。来栖は、皆川神社に向かって歩き始めた。


闇の中二つの声が響く。

一つは、氷の冷たさを持った声。

一つは、人の心を溶かすような甘く妖艶な声。

「珍しい客ね。何の用かしら?」

「まずは、帰還のお祝いを述べに参った次第」

「殊勝な心がけね。しかしそれだけではないでしょ?」

「妃様には、お見とおしであらされたか。実は、一人殺して欲しい人間がいるのです」

「人一人殺すなどお主達の力でもたやすいでしょう? 何故、私の力が要るの?」

「ごもっともでございます。それがただの人間ならば」

「ほう?」

「その者は、忌々しき魔道士より剣と鞘を託された騎士なれば」

「なるほど。その者が今、この地にいるわけなのね」

「御意」

「見返りは何かしら?」

「我が一族の者達を妃様の手足としてお使いください。
それと我が主の配下も協力を申し出ておりますのでその者達も喜んで手足として働きましょう」

「任せるわ。その者の名と姿は?」

「これに」

「そなたの主に伝えておいて。私の手で必ず討ち果たすと。そして祝杯は、この者の血で共にあげましょうと」

「御意。必ずやお伝えしたします」

闇の中ただ一つ響く人の心を溶かすような甘く妖艶な声。

「来栖 優ね。なかなか私好みの男。退屈しのぎにはなるかしら」

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